こまばアゴラ劇場 新フェスティバルのタイトル・新ディレクターが以下の通り決定いたしました。

新タイトル

こまばアゴラ劇場 サマーフェスティバル〈汎-PAN-〉

新ディレクター

矢内原美邦

97年、ダンス、衣裳、映像、美術、音楽、ジャーナリズムの各分野で活躍するアーティストを集めたパフォーミング・アーツカンパニー、『ニブロール』を結成し、代表兼振付家としての活動を始める。日常的な身振りをベースに現代の東京の空気をドライに提示する独自の振付で、国内はもとよりオレゴン・ダンスフェスティバル、ラオコン・フェスティバルなど数々の海外フェスティバルに招聘され、また先端的な劇場として評価の高いThe Kitchen(ニューヨーク)での単独公演を行うなど、世界的に高い評価を受けている。
05年、吉祥寺シアターのこけら落とし公演を契機に、自身が創作・演出を手がける演劇プロジェクト「ミクニヤナイハラプロジェクト」を始動、これまでに3本の演劇作品を手がけている。07年、ソロダンス作品『さよなら』にて、第一回日本ダンスフォーラム賞を受賞。08年、『青ノ鳥』が第52回岸田國士戯曲賞最終候補作品となる。また、舞台作品を平行してビデオアート作品の制作を始め、「Off Nibroll」名義で映像作家の高橋啓祐とともに活動。04年森美術館主催の展覧会『六本木クロッシング展』にて森美術館会員特別賞を受賞し、同年9月上海ビエンナーレのほか、世界各地の美術展に招聘されている。


http://www.nibroll.com

大世紀末演劇展、サミットに続いて、新しい十年紀の、新しいフェスティバルが始まります。こまばアゴラ劇場のスタッフたちは、この新しいフェスティバルのコンセプトを固めるために、幾晩もミーティングを続けたようです。2010年代、日本の小劇場界は、どんな進化を遂げるでしょう。私も、観客の皆さんと共に、ドキドキして見守りたいと思います。

こまばアゴラ劇場芸術監督 平田オリザ

そして2010年、私たちこまばアゴラ劇場・新フェスティバル実行委員会は、「Performing Arts Network」の頭文字でもある「PAN」に、「広く行き渡る」という意味を持つ漢字「汎」を当て、新フェスティバルのタイトルを決定しました。
地域の劇団を紹介する演劇展から、ディレクター制度を据えた舞台芸術のフェスティバルへと移行し10年、その先に見えてきたものは劇場同士のネットワークでした。舞台芸術を一箇所の頂点「Summit」に集めるのではなく、「繋がり広がっていく」新しい サマーフェスティバル〈汎-PAN-〉にどうぞご期待ください。

サマーフェスティバル〈汎-PAN-〉実行委員会

※ 新フェスティバルのタイトル・ディレクターへのたくさんのご応募ありがとうございました。

新フェスティバルの特徴

● 地域の劇場・カンパニーとの連携を強化

「大世紀末演劇展」の開始からフェスティバルの柱となっている「地域のカンパニーの紹介」の理念をより明確に施行していきます。地域のカンパニー、制作者、民間の劇場、公共ホールとのネットワークを生かし、地域で上演されている作品、地域のフェスティバルやコンテストで評価を得た作品をこまばアゴラ劇場で上演。地域で制作された優れた作品をより多くの観客に届けるシステムを創り出します。

● ディレクターによる作品の上演

これまでのサミットディレクターが行っていた「プログラムの選定、フェスティバル全体の構成・統括」に加え、新フェスティバルでは、「ディレクターによる作品の上演」を行います。これにより、フェスティバル全体の方向性を明確にするとともに、観客・フェスティバル参加団体に向けた「フェスティバルの顔」として関与を高めます。加えて、同じ創り手、同じフェスティバルで上演する存在としての、参加団体との広いコミュニケーションの素地をつくりたいとも考えています。

● ディレクター、実行委員による明確なセレクション

これまでの公募システムに於いて、応募書類と映像資料のみから決定されるケースも多かった参加団体の選定方法を改めます。拠点とする地域に関わりなく、こまばアゴラ劇場での上演を希望するカンパニーから公演の企画書を送付していただき、それをもとに、ディレクター・実行委員・こまばアゴラ劇場制作スタッフ(以下フェスティバル実行委員)が実際に観劇します。そのうえで、フェスティバル実行委員による選定会議に推薦された作品の中から選定を行います。

また、選定された作品を推薦した実行委員がそのカンパニーの制作サポートを担当することで、カンパニーと劇場のつながりをより強め、より密な制作支援を行うとともに、担当者が交流の触媒となるように進めていきます。

● フェスティバルのパッケージングの明確化

新フェスティバルでは、それぞれの年の視点を明確にします。プログラムを選定したうえで、ディレクターがフェスティバル全体のテーマを定め、それに沿った広報や関連活動を行っていきます。

誰が、どういう意図で行っているのかを明確にすることで、観客に対するアピールを高め、フェスティバルを豊かなコミュニケーションの場としていく流れを創っていきたいと考えています。

● 交流の機能を拡張

人と人とのつながりが熱気を伝え、参加団体とこまばアゴラ劇場双方にとって活性化のきっかけになります。このフェスティバルによる交流で生まれた活気を地域に持ち帰っていただくこと、また、双方向的な交流に発展することを目指し、参加団体とディレクター、劇場スタッフはもとより、東京を拠点として芸術活動に携わる人々、また、参加団体同士の交流が深まるようなワークショップ、関連企画の開催、事前・事後の運営を行っていきます。

● 年に1度の開催

これまでのサミットは、8月、2月に各1ヶ月ずつ、夏冬2回開催されていましたが、2011年度からの新しいフェスティバルは8月〜9月中旬までの1ヶ月半、年1度の開催となります。

準備期間を十分に確保し、また集約的にフェスティバルを行うことで、公演の実施だけでなく、交流活動や安定した制作支援、フェスティバル全体のパッケージング、対外的なアピールなどに、より一層力を注ぎます。年に1度、内容の濃いフェスティバルを行い、その意義を高めていきたいと考えています。

サマーフェスティバル〈汎-PAN-〉参加団体募集のお知らせ